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認知症のある人を対象としたソーシャルワーカーによるアドボカシーの文献検討

小山 宰

和文抄録

本研究では,わが国の認知症のある人を対象としたアドボカシーに関するソーシャルワーク研究の傾向と研究課題を明示することを目的として文献検討を行った.検討対象となった文献を「ソーシャルワークアドボカシーの4 形態の差異モデル」(Freddolino et al. 2004)を用いて分析したところ,先行研究は成年後見制度等の利用や当該制度に基づく法律専門職との連携に関する議論に集中し,セルフ・アドボカシーに関する研究が限定的な状況にあることが明らかとなった.研究結果を踏まえ,本論では,認知症のある人を対象としたアドボカシーに関する研究課題として,①成年後見制度の利用に基づくアドボカシーについては,その実践が認知症のある人にもたらす弊害や課題の批判的検討が必要であること,また②セルフ・アドボカシーに係る研究を発展させていくにあたり,アドボカシーの対象となる認知症のある人の原因疾患と重症度の特定が必要になることを指摘した.

ソーシャルワーク学会誌第49 号1-12 2024 本文(PDF:478KB)
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