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日本ソーシャルワーク学会研究倫理規程

2023 年7月9日制定

【総則】

第1条(目的)
本規程は,日本ソーシャルワーク学会会員(以下,会員とする)の学術研究における信頼性および公平性,さらには知的誠実さを涵養し,研究の倫理的なあり方を示すことにより,我が国におけるソーシャルワーク研究・実践の向上のための実施・検証を図り,その洗練・発展に寄与・貢献することを目的とする.
第2条(用語の定義)
この規程において「研究」とは,ソーシャルワークの諸領域における実践・理論研究を総称し,会員が個人的に行う国内外の研究及び,会員が参加する国内外の研究者・実践者等との共同研究及びプロジェクトにおいて実施される研究を対象とする.
第3条(責任の所在)
本学会会長は,本学会における研究の責任を統括し,研究倫理の保持に必要な体制の整備を行う.
  1. 会長は,この規程を運用するために必要な関連諸規程を整備し,諸規程の運用に責務を負う.
  2. 会長は,研究倫理の遵守に関する業務の遂行にあたるものを理事及び,会員から任命し業務を依頼・監督する.

【研究における会員の責務】

第4条(遵守義務)
会員は,本規程に則り,あらゆる研究活動においてソーシャルワークの研究・実践の進展と専門性の確立洗練に向け,研究者としての良識と知的誠実さ,倫理が要請されることを自覚し,本規程を遵守し研究活動に従事しなければならない.
第5条(人権の尊重)
会員は,研究活動を行うにあたって,人権を尊重し,いかなる差別的取り扱いもしてはならない.
  1. 会員は,研究活動全体を通じ,あらゆるハラスメントに必要・十分な配慮をするとともに,各種法令・社会的規範を遵守しなければならない.
第6条(個人情報の保護)
会員は,研究活動を行うにあたり,研究および調査の対象者の個人情報が守られるように法令・諸規程を遵守するとともに,ソーシャルワーク研究としての使命を意識し,プライバシーの保護に配慮しなければならない.
第7条(研究目的,方法,結果の倫理性の確保)
会員は,社会に対する責任と義務を自覚し,研究目的および研究方法,研究結果に倫理性を確保しなければならない.
  1. 研究の公開に際しては,会員の所属機関の倫理審査の受審を原則とし,その研究が倫理審査の必要がない場合は,これを明示すること.
第8条(研究活動における研究者の責務)
会員は,常に最新の研究方法の探求ならびに先行業績の探索を通じて,自らの研究水準の向上に努めるとともに,公正かつ適切な引用およびその明示を行わなければならない.
  1. 会員は,他者の知的所有権を侵害してはならない.
  2. 会員は,研究活動の実施にあたり,他者の研究成果を剽窃したり,調査データなどの偽造・捏造あるいは改竄したりする行為をしてはならない.
  3. 研究活動においてICTを活用する場合にはリテラシーを適切に理解・管理しなければならい.
第9条(説明と同意)
会員は,原則として,研究および調査対象となる個人,団体・組織,地域等に対して研究の趣旨等を十分に説明するとともに,研究の実施及び公開に同意を得なければならない.
  1. 特に自己決定,意思確認に困難が確認される場合には,適切な権利擁護(代諾等)の処置を講じなければならない.
第10条(共同研究)
会員は,共同研究の組織化およびその運営にあたっては,民主的な運営を心掛け,共同研究者相互にその立場や意見の多様性を尊重し,豊かな知見の明証に取り組まなければならない.
第11条(研究成果の公表)
会員は,研究によって得られた成果の公表にあたっては,その社会的意義および社会的影響に十分配慮して,会員としての責任を自覚して実施しなければならない.
第12条(二重投稿の禁止)
会員は,研究成果を原著論文等によって公表する際には,二重(多重)投稿をしてはならない.
第13条(利益相反への対応)
会員は,研究の公正性,信頼性を確保するため,利害関係が想定される団体や個人等との関わり(利益相反)について適正に対応しなければならない.
第14条(研究資金の適正な活用)
会員は,研究資金を用いて研究する場合,研究資金の供与機関の定める執行要 領等を遵守し,研究目的に合わせて適正に取り扱わなければならない.

【その他】

第15条(関連する組織と規程)
会員の研究倫理の向上を目的に研究倫理委員会を設置する.なお,研究倫理委員会に関する規程は別に定める.
  1. 具体的な研究倫理に関する事項については,別に研究倫理指針を定める.
  2. 会員が本規程に違反する行為を行った場合には,別に定める規程に基づき処分される場合がある.
第16条(規程の変更)
この規程を変更するときは,総会の決議を経なければならない.
附則
  1. この規程は,2023 年7月9日より施行する.

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