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子ども虐待対応のための個別ケース検討会議

開催回数が専門職に与える影響

実方 由佳

和文抄録

本研究は,子ども虐待対応における個別ケース検討会議が,専門職の連携認識(連携の捉え方)にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的に行った.要保護児童対策地域協議会の基盤とも言われる個別ケース検討会議は,複数の専門職が互いに補完しながら援助を行うための話し合いの場である.連携の手段として個別ケース検討会議が選択される要因も含め,個別ケース検討会議が専門職の認識上,連携にどのように影響を及ぼすのかを検証した.質問紙調査の結果を分析したところ,個別ケース検討会議は参加メンバーの人数や職域の多様さと正の相関があること,および専門職の連携認識上,「メンバー間で行う作業」や「対象への焦点(クライエントに寄せる関心)」といった因子と正の相関関係があることが明らかとなった.個別ケース検討会議と参加者の多様さは反応しやすく,「私たち」という認識とも影響を及ぼしあうという示唆が得られた.

ソーシャルワーク学会誌 第32号 13‒24 2016 本文(PDF:474KB)
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