在日コリアン高齢者の福祉アクセシビリティ
―地域包括支援センターによる夜間中学校へのアウトリーチ実践から―
木下 麗子
和文抄録
本研究の目的は,日本が初めて経験する在日外国人高齢者である在日コリアン高齢者の福祉アクセシビリティについて,対象者特性による阻害要因,促進要因の分析を行い,その構造と構成要素を明らかにすることである.
研究フィールドは在日コリアン高齢者の集い場の夜間中学校である.研究方法は,地域包括支援センターの夜間中学校へのアウトリーチ実践に着目したことから,それぞれの機関の職員へのインタビュー調査とした.
分析は,先行研究の福祉アクセシビリティの分析枠組みを基にコーディングを行った.8 つのカテゴリー,「キーパーソン」「コミュニティ」「情報ネットワーク」「関係機関との連携」「メンタリティ」「行動力」「識字問題」「行政の役割」を抽出し,阻害要因と促進要因を整理した.結論として,地域包括支援センターの地域を基盤としたソーシャルワークの展開において,地域住民の集い場であるコミュニティとの連携促進の必要性が示唆された.
ソーシャルワーク学会誌29:1-15、2014 論文本文(PDF:455KB)
『ソーシャルワーク学会誌』第29号(2014年12月)に戻る