MENU タップでメニューに移動

民間相談機関における『総合相談』の特徴

20 年間の相談記録の内容分析結果から

大塚明子・金田寿世・石田賢哉

和文抄録

本研究の目的は,浅草寺福祉会館(以下,当会館)の相談データを元に,当会館の相談を分析・検証し,一民間相談機関としてどのような相談活動を行ってきたのか,また当会館が行ってきた総合相談について検討することである.分析対象は,2000 年度から2019 年度(20 年間)の当会館の年度新規来談者1,134 件の相談データである.データ分析にはKHcorder3 を用いて,計量的なテキスト分析を行った.

分析結果としては次のことが得られた.主訴内容の傾向について検証した共起ネットワーク分析では
10 のサブグループが出現し,多岐にわたる相談内容を受けていることが明らかになった.主訴データと
相談後の対応の関連性を見た対応分析からは,当会館においては,支援やサービスにつなぐ以前の相談が多いことが示された.このことから,国の施策では支えきれない,支援を求めることができない人たちに対するアプローチの一つとして,一民間相談機関である当会館の相談が機能していることが明らかとなった.

ソーシャルワーク学会誌第48 号1-12 2024 本文(PDF540KB)
『ソーシャルワーク学会誌』第48号(2024年6月)に戻る

このページのトップへ