中学校卒業後も途切れない重層的な伴走型支援の展開可能性
コミュニティソーシャルワーカーの「のりしろ機能」に着目して
加藤昭宏
和文抄録
本研究の目的は,継続した支援が必要にも関わらず,支援につながらない,あるいは卒業を機に支援が
途切れてしまう可能性のある中学生,およびその世帯に対する重層的な伴走型支援の展開可能性を探ることである.このため,支援の継続性担保の必要性や伴走型支援の概念,CSW や支援の「狭間」についての論考を概観した.そして,CSW による中学校との協働から実践的検討を行った.
本研究では,次のことを明らかにした.CSW は,学校・専門職・地域という「横の連携」と,「卒業」
というライフステージの変化を見据えた「縦の連携」双方の支援の「狭間」を埋める「のりしろ」となりながら,包括的な支援体制構築に向けた有機的な連携関係──情緒的共感を基盤とした協働──という「のりしろ」を広げていくことができる.このCSW の「のりしろ機能」による実践を基盤として,中学校卒業後も途切れない重層的な伴走型支援体制の構築に向けた一定の展開可能性が示唆された.
ソーシャルワーク学会誌第46 号1-13 2023 本文(PDF:472KB)
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